面白くユーモアある猫の世界からの人の世界が楽しめた、小説『夜の国のクーパー』(伊坂 幸太郎)

 最初から最後まで面白く、正直、伊坂氏の小説の中でも、上位に来る面白さだと思いました。

目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けに胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める――これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
(小説のあらすじより)

 これまでいくつかの伊坂氏の作品を読んできました。伊坂氏の不思議な世界観が好きで、読んできましたが、今作はその不思議な世界観にどこか回想的にも、現実的にも展開される面白さと、猫視点という面白い視点からの物語と言う、まさに不思議な世界観の物語でした。

 実際に「猫がどう思っているのか」は分かりませんが、この作品でこう思っているかもしれないな~と面白く読め、物語の展開も飽きることなく、次々と展開されていきます。
 それに、物語に展開されるカラクリや謎が、分かることにうまく仕掛けたな~とさせられ、最後までそれがうまい具合に物語を面白くさせてくれるモノにもなっていました。

 最後は最後で、「そ~きたか~~」と思わず、読みながらニヤけてしまいものでした。

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