「シャンペン・スパイ <モサドの星>の回想」/ウォルフガング・ロッツ

 実際のスパイ活動を行ってきた著者の自伝的な本。

超一流の馬の育種家にして典型的なゲルマン人、元SSの将校で洗練された大金持ち、おまけに熱烈なアラブびいき……エジプト社交界の寵児といわれた男は、実はイスラエル情報部の首席工作員だった。彼は優雅な生活の一方で、親しくなったエジプトの閣僚や将軍たちから聞き出した機密をせっせと本国に送り、第三次中東戦争をイスラエルの勝利に導いたのだ。諜報史上に不朽の名を残すスパイが自らの体験を綴る迫真の回顧録。
(本のあらすじより)」

 これは、本当に読みやすい! まるで、小説のような流れで読むことが出来、わかりやすいものでした。
 小説のように物語を楽しむのと同時に、国際情勢や潜入している国のこと、その民の性格など、様々な要素が盛り込まれています。
 情報の収集の仕方というのは、ある意味、ビジネスマンもヒントになるもの。それらの情報をどうやって伝えるということは詳しくは書かれていませんが、スパイの生の現実(スパイにもいろいろなタイプがある)を小説の物語のようにわかる一冊。

 著者はイスラエルのスパイで、エジプトに潜入。エジプトに入る~エジプトでのスパイ活動~妻との出会い~見つかって逮捕~刑務所~出所後、といった内容。
 これらの内容が、物語のように書かれていました。そして、エジプト人の気質や習慣など、エジプトに関する内容も。イスラエルとエジプトの関係についてのちょっとした入門編にもなりそうです。ただ、あくまでも入門編ですね。