インターネットの闇を取り上げた、新書『闇(ダーク)ウェブ』(セキュリティ集団スプラウト)

 インターネットが身近な存在になり、生活を便利にしてくれる半面、犯罪といった危険な面も兼ね備えている。本書は、そのインターネットの世界の闇の部分の一部を取り上げた内容となっていました。

麻薬、児童ポルノ、偽造パスポート、偽札、個人情報、サイバー攻撃、殺人請負、武器……「秘匿通信技術」と「ビットコイン」が生みだしたサイバー空間の深海にうごめく「無法地帯」の驚愕の実態! 自分の家族や会社を守るための必読書。
(本より)

最強の専門家集団が執筆!
株式会社スプラウト。2012年創業のサイバーセキュリティ企業。第一級のホワイトハッカー、コンサルタント、リサーチャーが結集した最強の専門家集団。企業や官公庁へのセキュリティ支援を行っている。オンラインメディア「THE ZERO/ONE」を開設、世界最高水準のセキュリティ強度をもつクラウド製品「SolidHub」も開発中。
(本の帯より)

 本の構成は、
・序章:現実社会を動かすサイバー空間
・第1章:サイバー闇市場の実態
・第2章:盗まれた個人情報の行方
・第3章:サイバー闇市場へのアクセス
・第4章:「Tor」と捜査機関の攻防
・第5章:最大の闇市場「シルクロード」の黒幕逮捕
・終章:終わりなきサイバー犯罪との戦い
といった内容で構成されています。

 現在、インターネットの世界は、
・世界中の誰もがアクセスできる自由な空間
・限られた一部の人だけが触れることのできる空間
・サイバー犯罪者たちが跋扈する闇の空間
の3つに分かれているそうです。

 10億388万7,790のウェブサイト(ウェブコンテンツの集合体)と578万2,080台のウェブサーバー(ウェブサイトを配信するためのシステム)がインターネット上で確認できたといいます(英国のインターネット・サービス企業ネットクラフト社(Netcraft)が2016年3月に発表したデータ)。これらは誰もがアクセスできる自由な空間であり、インターネットの表層という意味から「サーフェイスウェブ」(もしくは「ビジュアルウェブ=可視的なウェブ」)というそうです。
 しかし、これは検索エンジンが補足可能なウェブサイトの数で、実際は確認することのできないウェブコンテンツの方が遥かに多いそうです。それらはインターネットの深層という意味から「ディープウェブ」と呼ばれる。「検索エンジンで探し出すことができないウェブコンテンツ」の総称だそうです。
 サーフェイスウェブとディープウェブの関係は、正確な数字はないものの、サーフェイスウェブの割合はインターネット全体の1%未満しかないとも言われているそうです。

 さらに、一般的な検索エンジンでは見つけられないディープウェブのさらに奥底にあるのが「ダークウェブ」。日の当たらない部分で、この知られざる空間こそが、サイバー犯罪の温床として、インターネットのみならず現実社会を大きく揺るがしている震源地だそうです。

 そのインターネットの世界、「ダークウェブ」の世界を取り上げた内容となっていました。