高校野球の「熱い想い」がノートにつまっている、本『野球ノートに書いた甲子園2』(高校野球ドットコム編集部)

 「野球ノート」というノートを取り入れて、高校野球に活かしている高校がある。
 ただ、練習するのではなく、そこから考えて野球を向上させようとしたり、野球だけではない、生活や人生にまでつながるノートになっていたり。
 様々な野球ノートが紹介されており、分かりやすく読みやすかった。

 今回、取り上げているのは、
・長野西高校:「野球ノートに書いた甲子園」
・履正社高校:「頂点へと続くノート」
・小山台高校:続「日本一、此処ををもった日誌
・前橋育英高校:「父と作るノート」
・須賀川高校:「捨てるノート」
・高岡・窪川・中村高校西土佐分校・城山4校連合チーム:「野球ノートに書けなかった甲子園」(特別コラム)
の計6つの野球ノートが紹介されていた。

 興味深かった内容は、

・信頼とは、高度な相互依存。

・人の意見を聞けば、自分もうまくなる。人の意見を聞いたら、「自分もこう思う」というコミュニケーションを取れるようになる。

・ノートを書くことは、「自分はこう思っているんだ」という気持ちを再確認できたり、「それなら明日これは実行しないとダメだな」って気付けたり、自分を振り返る上でとても大切なもの。

・自分で考えて、その日練習したことを書いて、それで自分ができたことがあれば、「どうやったらできたのか」を書く。もし、できなかったら、「何でできなかったか」を書いて、それを直すためには「次はどうしたらいいか」を書く。

・泥臭さを追求するために、全力疾走をしよう、最後まで諦めずに戦おうというのは、真の泥臭い野球とは言わないと思う。
 自分が思う泥臭い野球とは、内に秘めたものを表に出してできることだ。力のない自分たちがスマートな野球をしても相手は怖くない。勝ち上がることもできない。だが、全員が内に秘めた熱いものを表に出して、それが一つになった時、自分たちの最高の力を発揮でき、勝つことができると思う。

・自分がノートを読み返した時に使えるものを作っていこう。
 自分の目標は何なのか、どのレベルに置くかで、日々の行動が変わってくるものだ。

・日々の取り組み、中味が変われば、結果は必ず変わってくる。
 1日の差は、それ程変わらないが、積み重ねによって大きな差となって、自分にもチームにも返ってくる。
 常に高い目標を持て。

・野球ノートに何も書けないというのは練習でも自分が言われていることをあまり聞いていないのと同じことなんじゃないか。

・その日の打席の入り方だったり、打席に入っていく中で気になったこととか、今日はこういう気持ちで打席に臨んだとか、そうしたらこういう結果になったっていうところまで書くようにした。

・試合の時にきちんと振り替えられるようになるために、普段の練習からも、自分が感じたことは記すようになった。

・準備だけは怠らない。100%でやっていきたい。
 野球で結果を遺しても、それを評価されるのは野球の時だけ。
 しかし、上手くなろうと努力したこと、努力を続けられたことは一生使える。
 自分の心とは一生付き合っていかなければいけない。
 努力し続ける心を持っていきたい。