スケールアップして同期カルテットの活躍が楽しめる、小説『警視庁公安部・青山望 一網打尽』(濱 嘉之)

 前作からスケールアップした物語展開が楽しめた。

京都・祇園際の夜に銃声が響いた! コリアンマフィアと中国マフィアの抗争の背後には、北朝鮮のサイバーテロ、そして仮想通貨強奪計画があった。さらに絡まる半グレと芸能ヤクザの闇を、警視庁公安部のエース青山望が追う! 同期カルテットも結集して日本の敵を「一網打尽」にできるのか? 公安を知りすぎた著者の絶好調シリーズ第10弾。
(小説のあらすじより)」

 今回はまたスケールアップした物語が楽しめた。
 それプラス、主人公・青山だけではなく、同期たちの存在がまた面白く、青山と同期の関係を面白くし、物語を楽しめる要素になっていた。
 物語は上記のあらすじにある通り、京都の祇園際での事件がスタートで、物語が展開されていく。そこから、今話題のビットコインについてやちょっとした社会の出来事などが盛り込まれつつ、物語を楽しめる。

 この物語シリーズの面白い要素として、安定して安心してスマートに楽しめること。緊迫感というものは薄くなるが、そのスマートさで気軽に読めて楽しめるのがこの小説の醍醐味。さらには、物語を通じ、社会事象の解説もあったりと。