ノンフィクションを物語のように読める、『モサド・ファイル イスラエル最強スパイ列伝』(マイケル・バー=ゾウハー&ニシム・ミシャル)

 スパイという諜報機関の中でも屈指の存在の一つ、イスラエルの「モサド」。そのモサドの行いを物語のような感じで読める一冊。

世界最強と謳われるイスラエルの対外情報機関「モサド」。謎に包まれたその実態をスパイ小説の巨匠が明かす。ホロコーストの首謀者アイヒマンの拉致、テロ組織「黒い九月」への報復、シリアと北朝鮮が密かに設置した核施設の破壊、さらにイランの核開発を阻止するための秘密戦争……。命がけのミッションに挑むエージェントたちの姿を通して国家存亡を左右する暗闘の真実を描くベストセラー・ノンフィクション。解説/小谷賢

 スパイ活動をまるで小説の物語みたいに読める一冊でした。
 イスラエルが抱える問題をとらえる上で、モサドの存在は重要なものだといえます。イスラエルの周辺にはイスラエルを敵視している国も多く、その中でイスラエルは自国の存在を守るために、諜報機関を重視しています。その諜報機関がモサド。
 そのモサドの活動について、問題になることも多いのも事実。しかし、イスラエルにとって解決しない問題を扱うこともあり、その活動はなくなることはなかなかないのでしょう。

 先ほども書いたとおり、物語みたいに読めます。(解説でも書かれていましたが)そのため、取り上げる事柄も偏りはあるみたいです。
 それでも、イスラエルという国、モサドという組織の存在。それらの活動が世界的に、中東の地域を見る上で、大きなヒントにもなる一冊でした。

7/10)