手帳から日本人の生活歴史が垣間見える内容だった、新書『手帳と日本人 私たちはいつから予定を管理してきたか』(舘神 龍彦)

 日本にいるとそこまで思いませんでしたが、日本での手帳の種類の多さはすごいそうです。

旧日本軍の「軍隊手牒」や企業が支給する「年玉手帖」、一大ブームを作った「システム手帳」に「有名人手帳」、はては新時代の定番「ほぼ日手帳」から奇怪な「スピリチュアル系手帳」まで――。明治初期に生まれて以来、機能的な変貌を遂げつづける手帳は、日本人の時間間隔や仕事観を映しだす鏡だ! 小さな冊子に秘められた、おどろきの歴史と文化を解き明かす。
(本より)

 そんな日本の手帳についての歴史や手帳との関係を取り上げた内容になっていました。

 本の構成は、
第1章 手帳以前の時間感覚
第2章 手帳が示す行動規範
第3章 手帳にあやかる人々
第4章 手帳大国ニッポンの実像
第5章 グーグル的な時間からの自由へ
となっております。

 日本人の性格や手帳を通じての日本の時代を追った展開などが書かれていました。

 興味深かったのは、

・世界で初めての手帳は、イギリスのメーカー「レッツ(Letts)」によって作られたもので、現在も古くからのファンが根強く支持しているという。
 1812年、ロンドンシティの王立取引所内の文房具を扱う店のジョン・レッツ(レッツ社創立者)が「日誌にカレンダーがついていたら、さぞ便利なのではないか」と思いついたのが、市販ダイアリー「レッツ・ダイアリー」誕生だそうです。

・日本の手帳は、様々なバリエーションがあるということ。予定記入欄のパターン、それ以外の記入欄の登場と広がり、紙の綴じる構造など他国ではありえないような種類があるそうだ。しかも、限られたシーズンにのみ需要が発生する製品としては異例だという。文具類も手帳専用のユニークな文具もある。

・様々なバリエーションがある中で、ユーザーは利用目的を明確にする必要があるということ。