ノートを自分の歴史本に。大きなヒントになりました、『人生は1冊のノートにまとめなさい!』(奥野 宣之)

 本書は私の「何でもノート」に大きな影響を与えた本。

デジタルでは残せない
世界でただ一つの体験記の作り方

なぜ、大切な記憶が消えていくのか?

累計50万部突破!
100円ノート整理術第3弾!
(本の帯より)」

 私はスケジュールや重要事項はシステム手帳に、その他の内容は「何でもノート」に書いています。

 本書では、アナログで人生を記録していく、様々なノート術が盛り込まれており、それらの方法が「何でもノート」のヒントになりました。
 それらのヒントの中では、ライフログという自分が行った行動を簡易に記録する方法や写真を利用することなど、様々なヒントが盛り込まれていました。

 興味深かった内容としては、

・多くの方から「役に立った」と言われる一方で、「あまり効果が実感できない」という声もたまにある。
 →どうしてノートをつけても効果が出ないのでしょうか。理由の一つとして、「書きっぱなし」にしていることがある。言い換えれば、「読み返し」で、体験を本当に自分の物にして、活用することができていないから。

・仕事や家事、運動、趣味など、分野は何であれ、「少しうまくなった気がする」「わずかでも進歩している感覚がある」といった「自己認識」が持てることとこそ、成長。
 →極論すれば、自分で自分を認めるしかない。自分で自分を認めるように頑張る。日常の些事を少しずつノートに書きつけ、その積み重ねがあるから、今の自分ができた。

・ノートに書いた(貼った)情報の「タイトル」と「位置情報(ノートの通し番号と日付)だけを、パソコンでテキスト入力し、索引データベース化すること。
 →ページに番号をふって、記述内容とページ番号を最初や最後のページに索引としてまとめる方法もあるので、やり方はそれぞれ。

・「ライフログノート」には、今済ませた行動、今買ったもの、今読んだ本、今聞いた話など、「過去のこと」を書いていく。
 →「過去のこと」を書かないと、ノートを「自分の分身」にしていくことができないから。「8時起床、どうやら6時のアラームは無意識に消してしまったようだ」と、自分の行動ベースで記録するので、現実と記録の間に齟齬をきたさない。

・問題となるのは、「どれだけ詳しく書くか」。
 →筆者の場合は「3か月たっても、何のことか分かるように書いておく」という方針。3か月もたつと、自分が進めている仕事の中身や関心のあること、問題意識もだいぶ変化してくる。たとえそうなっても「この日はいったい何をしていたんだろう?」とならないように書いておく。するとその後もずっと読んで意味が分かるメモになる。具体的にいうと、まずは「固有名詞」を盛り込んで書くようにする。
 すぐに分からなくなってしまうのは、「WHY(なぜ)」「HOW(どのように)」の情報。「なぜその映画を見ようと思ったのか」「何をお祝いする飲み会だったのか」「どんな用件でメールを書いたのか」。
 「梅田のヨドバシカメラに行った」「半田さんにメールを出した」「子供と遊んだ」というだけでなく、「ヨドバシに、夏の長野旅行に持っていきたいミラーレス一眼レフを見に行った」「半田さんに、先週もらった塩昆布のお礼メールを書いた」「手を叩いてリズム遊びをしたら、赤ちゃんが手足をばたばたして喜んだ」。
 数か月後に見ても、「ああ、あの時はこういうことを考えていたな」と詠んだ時に、当時の状況や「空気」が分かるようになる。

・「まで」「いま」「から」という言葉を使って、現在時刻だけをメモしておく方法。
 →・12:30まで、JRで大阪→京都、バスで東山へ。
 ・12:45から、ランチに牛丼@なか卯
 ・13:00から、国際平和ミュージアムを見学。
 ・14:30いま、京都駅行きのバス待ち。
 前のメモから今までにやっていたことを書く場合は「まで」。今この瞬間の状況や、していることを書いておくには「いま」、これから始まる(始める)ことを書く場合は「から」を時刻の後につけておく。

・「・」や「@」「☆」といった行頭記号を使った行動記録。
 ・「・」……客観事実
 ・「@」……場所
 ・「☆」……自分の意見・感想
 ・「W」……一緒にいた人を示す
 ・「R」……読んでいた本を示す

・一日に何ページくらいライフログノートを使うかは、全く安定していない。
 →ライフログノートには、行動記録の他に、本の抜き書きや電話のメモなども書きます。また写真やはがきを貼ったりもする。一冊のノートに時系列で書いているため、行動記録の間にいろいろなメモや資料が入ってくる。時系列は分かりやすい。情報がただ一つのタイムライン上に並ぶことで、いつ電話したか、いつ郵便が届いたかが一目瞭然になるから。
 ずらりと文字や資料が並んでいるだけでは、「切れ目」が分かりにくいので、「区切り線」をい使います。

・(例えば筆者は)日記の代わりに始めたのが、子供のいる部屋に「ポラロイドTWO」を置いておき、毎日必ず写真を撮って貼るという方法。
 →写真を貼った横には、「おもちゃのピアノを与えたら大興奮。楽器というのはすごいものだ」とコメントを書いておくのです。

・ケータイやデジカメで、一日にたくさん写真を撮った場合は、「割り付けプリント」したものを、ノートに貼っておくのがお勧め。
 →「割り付けプリント」とは、通常のサービス版(文庫より一回り小さいサイズ)に複数の写真を入れた印刷方式のこと。家電量販店や写真屋、コンビニなどにあるデジカメプリントの機械で簡単に出力できる。

・サービス版のサイズの中に複数の写真が時系列に並んでいるものをノートに貼っておけば、その日に立ち寄った場所や行動の順番などを、リアルに思い返すことができる。
 →割り付けプリントなら大量の画像が数枚に収まって、しかも料金も安く上がる。

・駅スタンプを押しておく。
 →ご当地スタンプ。行動記録にビジュアル的なイメージを加えて、印象に残すことができる。「書き込み+資料+スタンプ」で記録を遺そうとすると、ノートづくりの作業にもバリエーションが出るので飽きがこない。

・読んだ本の帯は、ノートに貼ること。

・私たちが過去の充実した生活の中、豊かな経験の中で実現し、心の宝物としていることは、何も誰も奪えない。
 →過去の自分に慰められ、励まされ、踏ん張れる。そんな過去の体験をしっかりと持ち、今の人格をつくりあげている人こそ、本当に強い人間。

・心得ておかねばならないのは、「ノートは漠然と読もうとしてもなかなか読めるものではない」ということ。
 →目的をもってノートを開く。読み返しは必ず「チェック作業」に落とし込む。読み返す機会が暮らしの中で生まれるよう、あらかじめ「こういう時に読み返す」というタイミングを決めておく。

・時間マーキング:時間が視覚的に捉えられるように、マーキングする。
 →蛍光ペンを使って、一日の切れ目の「区切り線」を強調したり、毎月一日のページの端を塗りつぶしておいたりして、ノート上で直感的に時間の流れが分かるようにする。

・行動マーキング:特定の行動をマーキングしながら一気に見ていくのもいい読み返しの方法。
 →重視している仕事の行動記録だけをマークすれば、どのくらいの頻度で、何時間くらいかけてやっているのか分かる。家族と過ごしている時の行動記録をピンクで、仕事を青で、余暇時間を緑で、育児の時間をオレンジでマークするなど、ややこしくない程度に色分けすれば、視覚的に分かって時間配分を考え直すきっかけにもなる。

・主客マーキング:読み返した時、行動記録の中の、自分の感想や意見の部分だけをマークしておくと、より当時の気持ちが分かりやすいライフログノートになる。
 →そこからさらに「☆」の部分だけを浮き立たせるのです。

・習慣化してほしいことに、一日の終わりに、その日の行動記録を読み返すこと。
 →毎日コツコツ振り返る「日次レビュー」。「週次レビュー」。ライフログノートを使い切って「代替り」するタイミングで、いったんノートを最初から最後までめくってみること。

・一冊のライフログノートを使い切ったら、僕は必ず「索引ファイル」を更新する。

・完全に忘れた場合でも情報を引っ張り出せるよう、「情報の命綱」として索引を作っておく。
 一冊のノートの索引を創る時、100の項目を立てるのも、下の麓のように3つの項目にとどめるのも自由。

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